宮芸ブログ

「旅」をテーマに制作!

 今年もコラージュをやろうかと思っていたのですが、たまたま画集を見ていたら、懐かしい絵に出くわしたので、それを見ていたらなんだか旅をテーマに絵を描いていくのがいいんじゃないか?と思い、一転ワークショップの今月のテーマを「旅」にすることに勝手に決定!

  で、その懐かしい絵なんですが、これです。

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 あまり知っている人いないかもしれませんが、ブリューゲルというフランドルの画家が描いた「イカロスの墜落」という絵です。
 この絵は何か不思議な絵で、タイトルにある「イカロスの墜落」という主題が最初に見えてくる絵ではなく、まずは手前の農夫が目に入り、そこから雄大な広がりを持つ風景へと視線は導かれる。登場人物たちは、それぞれ自分のいつもの生活を送り、誰もイカロスが海中に落ちていることには気づいていない。そんな牧歌的な世界が果てしなく広がっている絵なんですね。ネーデルランド地方に伝わる諺に「人が死しても、鋤は休まぬ」というのがあるらしく、この絵にはそんな意味も込められているのかもしれない。
 ただ、画面右下にいるイカロスの下半身には、最終的に目が向けられ、その異質な形態に、何だろうと思ってしまう。画面は対角線の効果や大小の面積対比を巧みに使って、この牧歌的風景の広がりとともに視線をイカロスへと導いているんですね。
 というわけで、6月のアカデメイアの火曜日と水曜日のワークショップでは、旅をテーマにした絵を制作していきます。
 旅といっても、実際に旅先で描いたスケッチをもとに描いてもいいし、旅の思い出を膨らませて作品化してもいいし、想像の旅を想い描いてもよいでしょう。自由な発想でどんどんやっていきましょう!

2009/06/03