宮芸ブログ

物語を描く。

来月から、アカデメイアのワークショップで「物語を描く」をテーマに、各自描いてみたい物語を用意してもらい、それを絵にしてもらおうと思っています。物語を絵に描くといえば、西洋ではギリシャ神話とか聖書を題材にしたものとか日本なら「源氏物語絵巻」や「信貴山縁起絵巻」などが有名で、昔から物語を絵にするのはよく行われてきました。

源氏物語絵巻

源氏物語絵巻

信貴山縁起絵巻

信貴山縁起絵巻

特に西洋では、ある時期、それはきっと時代の要請から、ギリシャ神話などの特定の物語をいろいろな画家が描いていました。

アングル作 神々の父ゼウスとテティス

アングル 神々の父ゼウスとテティス

ですが、20世紀を過ぎると、そうした時代が要請するようなテーマというのはなくなり、各自個人の中にテーマを求めるようになります。1940年代のポロックのようにユング心理学の影響を受けてローマの創世神話を絵に表した「秘密の守護者たち」なんかは、そうした個人のなかの物語を絵に表したもののひとつでしょう。

ポロック作 秘密の守護者たち

ポロック 秘密の守護者たち

ところで、自分で好きな物語を絵に表そうというのは、あまり経験のない方が多いかもしれませんね。いかに絵画的に表現できるのか、どう絵にしていくのかが難しそうですが、自分の好きな物語には、必ず自分との関わりがあるので、何か新たな自分に気づいたりできるかもしれませんので、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。

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